花嫁街道👰と烏場山
JR内房線・和田浦駅
館山と安房鴨川の中間の駅です。房総半島のほぼ南端。千葉県は隣県なんですが、ここまで来ると最果て感があります。駅のある和田町は、全国的に生花の産地で、田宮虎彦の小説『花』の舞台になったところです。
今日はこの町にある「烏場山」に登りに来ました。20数年前に何度か訪れた山です。
烏場山は標高300mに満たない山ですが、「花嫁街道」を歩き、太平洋などの展望、滝見等の見所があり、房総でも人気の山です。
登山家・岩崎元郎さんの「新日本百名山」の一つに選ばれた山でもあります。
駅前広場を出ると、ハイキングコースの標識があります。今日のコースは至る所に標識があるので、迷うことはありません。
しばらくは舗装された道を歩きます。
花の町なので、あちこちで花が見られます。
キンセンカ
スイセン
菜の花畑です。
今日の天気、ご覧のとおりです。朝方まで雨が降っていて、どんよりした曇り空。
ここは分岐です。左右どちらに行っても烏場山に行くのですが、左の花嫁街道を行くのが一般的です。
分岐の傍らに、ひっそりと小さな道祖神。
花嫁街道入口
ここから山道になりました。「花嫁街道」は、山間の村から海辺の村に嫁ぐ花嫁が歩いた道なので、この名前が付けられたのだそうです。
ボクは、この「花嫁街道」の名を聞くと、どうしても『赤毛のアン』を思い浮かべてしまうんです。アヴォンリーを訪れたアンが、美しい光景に感激し、持ち前の想像力から島のあちこちに色々な名前を付けました。「歓喜の白い路」「輝く湖水」「恋人の小路」等々。「花嫁街道」は、そんなアンが名付けた道ではないのか。何となくそんなことを考えてしまうのです。
山道になり、最初の10分くらいは登りが辛く感じます。
その後は歩きやすい道です。
第二展望台
第一展望台もあるのですが、標識が壊れたか何かで分かりませんでした。
天気が良ければ、ここからは逆光の眩しい太平洋の眺望が拝めるのですが、この天気なので、今日はこんな感じです。
マテバシイの純林が続きます。
経文石
じがい水
落人伝説のまつわる場所とのことですが、詳しくは分かりません。
駒返し
見晴台
南側が開けているカヤ場です。
この山は標高300mに満たない山ですが、山深さが感じられます。
第三展望台
山頂はまもなくです。
ここをわずかに登れば山頂です。
烏場山 標高266m。
「新日本百名山」の標識が付けられています。
縁結びのおふくさん
山頂の様子。眺望が優れているとは言えません。20数年前に訪れた時はもっと視界が開けていて、周辺の山々を見渡せたのですが、周囲の木々が丈が伸びたせいかもしれません。
さて、下山です。
「花婿コース」と名付けられた下山道を歩きます。
旧烏場展望台
見晴台
金比羅山 標高121m。
金比羅山の直下に祀られていた神様。
もうスミレが咲いています。
山道も終わったようです。木段を下ります。
ここにも神様。
黒滝
落差15mの小さな滝です。
水量は少ないですが、幽玄な雰囲気があります。
向西坊入定窟
向西坊のお話です。もとは元助といい、赤穂四十七士の一人、片岡源五右衛門に下僕として仕えていたのですが、吉良邸討入りで赤穂義士の自刃後、出家して主をはじめ赤穂義士や浅野内匠頭夫妻を供養し、諸国を行脚します。この和田の地に赴き晩年を過ごしますが、享保十七年、天命を感じ入定しました。
辞世の句 折々は 濁りもせん 黒滝の 水も浮世の 中を流れて
知られざる忠臣蔵の物語がここにありました。
黒滝の遊歩道を歩きます。山旅のフィナーレ。
舗装路を和田浦駅に向かって歩きます。
スイセンがあちこちに咲いています。
ハイキング道の分岐点に戻って来ました。
朝来た道を、菜の花を見ながら、和田浦駅まで戻ります。
この頃からまた雨が降り出しました。路面も濡れています。
和田浦駅
ゴールです。今日の山旅も終わりました。
歩行時間 4時間03分
閲覧ありがとうございました。コースタイム詳細はHPをご覧ください。
YAMAPの活動日記です。
このブログへのコメントは muragonにログインするか、
SNSアカウントを使用してください。