白峰三山 3000mの稜線の山旅へ
広河原山荘
南アルプスの玄関・広河原に建つ山小屋。ここまでバス、タクシーで乗り入れ出来ますので、設備のいい綺麗な山荘です。
あそこに見えるのは北岳。富士山に次ぐ日本で二番目に高い山です。‥‥‥てご存知でしたか? いつだったかNHKの「チコちゃんに叱られる」で、一番高い山が富士山ということは誰でも知っているけど、二番目が北岳ということを答えられない人が多く、「ナンバー2は意外に知られていないものです」とやっていたことがありました。
今回訪れるのは白峰三山(「しらねさんざん」と読みます。なので「白根三山」とも書きます)。この北岳と間ノ岳、農鳥岳の三山の総称です。これを縦走します。実際は間に中白根山、西農鳥岳があるので五山の大縦走になります。行程は2泊3日。
なので‥‥‥、
今回のブログ、大長編になります❗
スミマセン、ご勘弁ください。同じコースで歩こうという方の参考にしていただければ幸いです。
1日目:第二の高嶺へ一気に❗
今日の行程。広河原をスタートし、白根御池、草スベリ、北岳の肩を経由して北岳山頂へ。北岳を下山して北岳山荘に宿泊。
とにかく北岳へ一気に登るというのがこの日のポイントです。
北岳へ向かってスタート。
吊橋を渡ります。
登山道になります。
急登です。
途中にあったベンチ。
キツい道が続きます。
スタートの広河原は標高1592mでした。そこから日本第二の高峰へ一気に登ろうというのですから、キツくて当然ですね。
対岸に見えるのは、同じく南アルプスの鳳凰三山。
そこに登った時のブログです。よろしかったらご覧ください。
山小屋が見えるようですが‥‥。
白根御池小屋
今日、第一のポイントに到着です。
先に進みます。分岐を右に行きます。ここから草スベリコース。
ハクサンフウロが咲いていました。
チラッと覗く山頂。まだまだ遠い。
キツい山道が続きます。
道標が見えます。
山頂まで1時間半。これを「まだ1時間半」と捉えるか、「たった1時間半」と捉えるか。ちなみにここまでの所要時間は4時間45分。
雲が上昇してきた。山頂での眺望、キビシイかな。
あそこに見えるのは、南アルプスの女王 仙丈ケ岳。
小太郎尾根分岐
山頂まで1.5㎞で1時間20分。
この辺りからは高山病を意識するようにしました。富士山の場合、標高3000mから高山病を発症することがあるそうです。急いで歩いて荒い呼吸にならないように、時々立ち止まって深呼吸(できれば腹式呼吸)をする、などが対策でしょうか。
鎖場を登ります。
山小屋が見えてきました。
北岳の肩
今日第二のポイント。標高3000mです❗
これ、いいですね😄
ここではいつも以上にゆっくり休憩しました。ここから本格的な北岳への登りですし、これも高山病対策のための高地順応です。
これ、シャーベットです。生き返りました。
北岳山頂に向かってリ・スタート。予想歩行時間は50分ですが、1時間になってもいいので自分のペースで歩きましょう。
目の前の道を一歩一歩、確実に歩きましょう。
美しい仙丈ケ岳。
イワギキョウが咲いていました。
雲‥‥。山頂での眺望、やはり厳しそうです。
見下ろすと、先程の肩が小さく見えます。
山頂、近づいています。
急がず、自分のペースで歩きましょう。目の前の道を一歩一歩、確実に。
振り返ると、今まで真横に見えていた仙丈ケ岳が後方に移っている。
そして‥‥、おおっ、山頂ではないか❗
北岳 標高3193m
標高第二位の山❗ ちなみに富士山は火山なので、この北岳は火山でない山としては日本で一番高い山になります。
お地蔵様が建立されています。もう拝みましたよ❗ ここまで連れて来てくれてありがとう❗この先もどうかお守りください。
眺望は案じていたとおりです。でも、ここに到達できたという達成感だけで十分満足❗
で、これから歩く方を見ると、真下に山小屋が小さく見えます。あれは今日宿泊する北岳山荘。
山頂に別れを告げて下ります。
ミヤマオダマキ。これが見られるとは嬉しい。
深~い谷底。目が眩みそうです。
北岳山荘
今日の宿泊地に到着しました。
「ガリガリ君」のかき氷を売っていました。
夕食です。1日目、無事終了。
2日目:3000mの稜線を征く
今日の行程。北岳山荘を出発し、白峰三山の残りの2座である間ノ岳と農鳥岳を縦走します。間ノ岳の手前に中白根山、間ノ岳と農鳥岳の間に西農鳥岳があるので、4つの山の縦走です。いずれも標高3000mを超える山で、3000mの稜線を歩く、ということになります。
最後の山、農鳥岳を下りると大門沢下降点があり、そこから下山になります。下山途中にある大門沢小屋に宿泊します。
山小屋を出ると、昨日見ることの出来なかった富士山が見えます。頂上部、少し雲が掛かっています。
3000mの稜線歩きに出発。
昨日登った北岳の雄姿。
ピークが見えてきました。
中白根山 標高3055m
山頂から見る北岳。その少し左下に甲斐駒ヶ岳が見えます。
これから歩く方角に、次の間ノ岳。
次に進みます。
間ノ岳。美しい山容。名山と謳われるだけのことはあります。
イブキジャコウソウ
教えてもらいました。
イワギキョウ
ミヤマダイコンソウ
ガレ場を越えて行きます。
緩やかに登ります。昨日の登りはキツかったですが、今日はそれほどでもありません。
ピークに着いたようです。
間ノ岳 標高3190m
深田久弥「日本百名山」の一座。あ、もちろん昨日の北岳も百名山です。
実は間ノ岳の標高について、ボクはよく分からないのです。山頂標識には3190mと書かれており、それならば北アルプスの奥穂高岳と同じ。この2山は同列で標高第三位の山となります。ところが間ノ岳の標高は正確には3189mだ、だから標高第四位だとも云われています。どちらが本当なのか?ただ、素晴らしい山だということは間違いありませんね。
遠くに北アルプスが見えます。
こちらは中央アルプスのようです。
そして富士山🗻。今日の天気、決して快晴ではありませんが、これだけ眺望が楽しめれば満足です。
さらに縦走路を行きます。
美しい富士山。もう一度シャッターを。
次なる山が見えて来ました。
西農鳥岳と農鳥岳へ。間ノ岳を大きく下って農鳥岳へ登り返す。大変そう😅
大きく下ります。
農鳥小屋
下り切った所に立つ山小屋。ここは昨年までは食事付きで宿泊できる山小屋でしたが、小屋番が高齢で引退されたらしく、今年からは避難小屋になりました。
さあ、ここから登り返しです。次の西農鳥岳まで、予想歩行時間65分の登り。キツいだろうな😅
登ります。
ひたすら登ります。
ただひたすら登ります。
山頂が見えて来たようです。
山頂に到達。
西農鳥岳 標高3051m
間ノ岳の好展望台です。
タカネツメクサが咲いていました。
さて、次は今回の旅の最後の山、農鳥岳。予想歩行時間は35分。大したことなさそうだけど。
ところがこのような岩場が❗
先程の農鳥小屋から西農鳥岳までの道は、単純に登るだけの道でした。このルートはそれより険しくキツいです。
難所は脱したかな❓
今回の山旅、最後の山の登りです。
そして山頂に着いたようです。
農鳥岳 標高3026m
先程の西農鳥岳よりも標高は低い。しかしこちらは、「日本二百名山」の一座にされています。また、登山家・岩崎元郎さんの「新日本百名山」にも選ばれています。
上昇してきた雲海から、かろうじて頂上部を出している富士山。
白峰三山コースの5つの山、登頂が終わりました。
農鳥岳と西農鳥岳に別れを告げます。
しかしまだ、明るい稜線歩きは続きます。
種子になったチングルマ。
ウサギギク
あそこに見えるのは塩見岳でしょう。
何か黄色い塔が見えます。
大門沢下降点
稜線歩きはここまで。ここから奈良田への長い長い下山が始まります。
この大門沢下降点から始まる奈良田への下山道は大門沢ルートといって、長く急傾斜の続くキツいコースとして知られています。標準の歩行時間は、下りで6時間30分といったところです。それを一気に下る人もいますが、ボクは途中にある大門沢小屋で今晩は宿泊することにします。
稜線歩きは終わったので、眺望の楽しみもない下山道。
ゴゼンタチバナです。
ハクサンフウロ。しかし、花も少なくなりました。
大門沢です。ここからは水の音を聞きながらの歩行になります。
標高1920m。3000mの稜線から1000m台まで下りて来ました。しかしウンザリするほど単調で長い。
どうやら、やっと小屋に着いたようです。
大門沢小屋
今晩の宿泊地。2日目終了。稜線歩きは素晴らしかった。しかし下降点からここまでが中々辛かった。かなりヘロヘロになってしまいました。
3日目:大門沢ルートは怖かった❗
3日目の朝。今日はついに山旅最終日です。富士山見えるの分かりますか?
今日のミッション
9時50分までにゴールの奈良田に到着せよ❗
9時50分というのは奈良田からのバスの発車時刻。それを逃すと次は13時50分。奈良田は温泉地ではありますが、それ以外、何があるというわけではありません。4時間も温泉に浸かっててもなあ、というわけです。
ここ大門沢小屋から奈良田までの標準の歩行時間は3時間半といったところです。小屋の人が云うには、朝食は5時から。食事と準備を終えて5時40分位に出発したとして、本当に3時間半で着くなら大丈夫そう。
しかし❗
‥‥‥情けない話ですが、昨日までの二日間で体がかなりバテておりました。実際、昨日の場合、大門沢下降点からこの山小屋まで標準歩行時間が3時間なのに対し、35分オーバーして到着していたのです。普通に出発したのではバスを乗り逃がすかもしれません。
作戦
朝食をお弁当に変えてもらい、早出する。
小屋の起床時間は4時半とのことです。起きたらすぐに布団を片付け出発する。
といったことで小屋を5時前に出発でき、3日目がスタートしました。
大門沢ルートの後半、大門沢小屋から奈良田までの道は、昨日の前半のような急傾斜の箇所はありませんでしたが、それでも一筋縄ではいかぬ登山道でした。
まず、目印のピンクテープを頼りに歩きます。
足場の悪い箇所も多々ありました。
沢沿いだったので、こんな丸太橋が何箇所かあります。渡るのちょっと怖いです。
ここも怖かったですね。
道幅の狭い道。細いヒモがあるけど、こんなん命綱にならんがな。
何か橋らしき物が見えるけど‥‥。
この吊橋、見た目には分からないかもしれませんが、
すっごく、凄く怖かったんですよ❗
10何メートルも上に架かっていて、歩くとグラグラ揺れるんです。その辺のフィールドアスレチックよりもスリリング❗ 高所恐怖症の人には渡れないでしょうね。
何かの施設に出ました。奈良田には発電所があるので、その関係施設でしょうか?では下界に到着したのか?
いえ、まだ山道続きます。
まだ続きます。長いなぁ。
吊橋です。さっきのよりはイイ。
ようやく登山口です。間もなくゴールの奈良田かな?
登山道ではなくなりましたが、まだ歩くようです。
登山者用の休憩舎。大門沢登山道にもベンチの一つでもあって欲しかったな。
第一発電所バス停
奈良田から広河原を走るバスの途中停留所です。残念ながら奈良田行の便は、この時間ありません。歩きましょう😂
今歩いている道は「南アルプス街道」というのだそうです。これを真っ直ぐ歩いた所にゴールの奈良田があります。
あぁ、あれ、バス停じゃあないかな❓
奈良田温泉バス停
やっとゴールです。2泊3日の山旅、今終わりました❗
自販機でペットボトルのお茶を買い、山小屋のお弁当を食べます。中々豪勢です。
ここから早川町の町営バスに乗って、JR身延線・下部温泉駅に出ました。
歩行時間
1日目:8時間12分
2日目:8時間47分
3日目:4時間 8分
コースタイム詳細はHPをご覧ください。
YAMAPの活動日記です。
下部温泉駅では、駅前に「しもべの湯」という日帰り温泉施設があり、立ち寄りました。
3日間の汗を流せて嬉しかったです。
本当に長いブログになりましたが、閲覧くださった皆さん、ありがとうございました。
ボクと同じように山登りをされている方に参考にしていただければ、また山歩きをしている気分を味わっていただけたら幸いです。
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